●ガッツ石松 カルチャーショックを受けました (2002年12月)
皆さんは もちろんガッツ石松という人をご存知でしょう。
日本の成人に、 ファイト いっぱーっつ、 ガッツー
といってマイクでも向ければ、
ほぼ全員はまずいしまーっつと答えるであろう。
常識である
しかしながらそんな常識は、
ここアメリカでは通用しないのである。
今回はそんな話。
もう6年くらい前になるだろうか?
Friends というTVシリーズの仕事をしていたスタジオでの出来事。
(自分はそこで違うTVの仕事をしていたのだが)
Friendsにでてくる、原始人の標本を作っていて、
マネキンの顔を変えて原始人にするという安上がりな方法をとっていたのだが、
そこで彼らが参考にしていた原始人の本が目についた。
そこには学術的な原始人の検証とともに、
多数の骨格写真や創造画が。
その中の原始人の創造画の一つに目がくぎ付けになる。
これはガッツ石松ではないか!!!!
似てるなんてモンじゃない。
本人そのものだ。
どう考えても、この画を描いたアーティストが資料として、
ガッツ石松の写真か何かを使ったとしか思えないほど似ている。
思いっきりふきだしてしまったが、
残念ながらはるか昔の出来事なので、
その本がなんという本であったのか思い出す事はできない。
しかし問題はその直後にやってきた。
この大発見を理解してくれる人間が回りに誰もいないのである。
この燃えるような心のシャウトをぶつけて一緒に笑える相手がどこにもいないのである。
そう、ここはアメリカ。
回りはみんなアメリカ人。
いくら私が声を大にして
This caveman looks exactry like
Guts!!!!!
といったって、誰もわかってくれないのである。
ガッツってなんやーって答えが返ってくるのがオチであろう。
冒頭に書いた日本人の常識、
そんなモンはここでは通じないのである。
この時ほど自分は外国人なんだと思った事はかつて無かった。
それどころかアメリカ生活5年目にして
最大のカルチャーショックをガッツ石松のおかげで受けてしまったのである。
こんな悲しいカルチャーショックがかつてあっただろうか!?
痛いよガッツ。寒いょガッツ。
そんな心のむなしさを誰にも理解されないままその日の仕事を終える。
それ以来その写真を見る事は2度と無かった。
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