●なかなか更新しない私の近況 (2005年2月現在)
とりあえず自分自身の整理をかねて、
ここ数年の心境の変化をご報告します。
4年くらい前に、映画業界からはなれて彫刻家としてやってみようと決心した時があって、
まあそれなりにがんばってみました。
アートスクールで彫刻を教え、
自分の作品をためて発表してみたりといろいろ活動をしてみました。
それではまだ食べていけなかったので、映画の仕事はちゃんとしてたけど。
だけどもなんかがんばればがんばるほど苦しくて、
もしこれで食べていけるようになったとしても、
一生彫刻を続けたいか?というと、断言はできませんでした。
今だからわかるけど、
それは自分の中でどうしてもやりたかった事、
特殊メイクよりも昔からやりたかったけど無理矢理押し殺していた物があったからでした。
それがなんだったのかというと、
ズバリ映画監督でした。
自分は本当にちっちゃい頃から映画をみまくっていて、
小遣いの大部分は映画に使ってたし、
高校の時は一人で映画館をはしごしたりもしていました。
高校の時に日本映画学校の資料を取り寄せて検討したのを覚えています。
ただ、映画を作るという事があまりにも漠然としていたために、
その中でもかなり興味があって好きだった特殊メイクという道を選びました。
それはそれでよかった訳ですが、
中学の時の友達が、
大学で映画サークルで作った映画をみたりしてとてつもなくうらやましかったり、
こっちでハリウッドに映画製作学校ができて、
その広告を見たとき心が揺れたりと、
なんか自分の中でその誘惑を無理矢理押し殺して今更無理だと決めつけていました。
2002年は自分の中でハチャメチャな時期でした。
映画の仕事も自分の中で何か見下していたとこがあって、
自分は何をしたらいいのか、
知り合いからビジネスの話を持ちかけられたり
何をやっても中途半端な状態でした。
その年の後半 “Hell Boy”という映画の仕事が終わった時に、
ある決心をしました。
やはり映画製作をしてみようと。
一昔前は映画を作るとなったら高い機材や高度な知識や人数などが必要で、
とりあえず学校などに行かなきゃそういう事はなかなかできなかったけど、
デジタル技術の普及で、
デジタルビデオカメラとコンピューターと編集ソフトがあれば、
個人レベルでかなりの事ができる事を知ったからです。
決心すると行動は早い。
早速カメラを検討し購入。
コンピューターも持ってたPCは古いので、
思い切ってMac G4を買い編集ソフトを入手。
とりあえず、
長年やっている合気道の道場のプロモーションビデオを作ってみる事にしました。
本と格闘しながら試行錯誤を繰り返し、
なんとか完成させて道場で試写会。
大好評でした。
もちろんライトや音声など技術的に稚拙なところがいっぱいあるけど、
この作品を通じて実感したのは、
本当に自分にこれはあっているという事でした。
編集中何か少しでも気に食わないと、
とことん自分で100%納得するまでやりなおしたし、
寝ていても何か気になる事を思い出したら夜中に起きてやったりとか、
その作品を作るために、
自分が100%完全燃焼しないと終わらせられないこだわりがありました。
素人にいうと驚かれるかもしれないけど、
彫刻ではそういう事はありませんでした。
いっつもどこかで妥協していたのです。
それから映像を作る方は誰から教わるでもなく、
見せ方やつなぎ方など
小さい頃から頭にしみ込んでいる映画の情報量がすごいので、
何の苦もなくできた事です。
そして見せるリズムや組み立て方などは、
長年やってきた彫刻する時の考え方が生かされています。
最初の作品を作ってみて、
自分がいちばん燃える事ができるのはこれなんだ、
と実感する事ができました。
そして、この年になって映画製作を始めてよかったと思った事は、
最初から監督を目指してたらきっと路頭に迷ってただろうと思う事です。
映画のスペシャルメイクアップの仕事にはあまり苦労していないので収入はあるし、
そして長年この仕事で培ってきた知識や人脈などが今につながっているからです。
2005年1月に、ついにショートですが自分の映画の撮影を始める事ができました。
平日は仕事をしているので、
週末に撮影して夜とかにコツコツ編集作業を続けています。
ここに至るまで長い長い道のりがあったけど、
妥協をしないできたおかげで、
最高のスタッフ、最高の役者を得て撮影に望む事ができました。
このショートが完成したら、これをもとに長篇を作る予定です。
今後過程をマメに更新していきたいと思います。
応援よろしく。
ESSEY 目次に戻る →
|